Overture


長文@20題

人間らしいところが嫌だと言ったら、そんなとこが好きだよと言って君は笑った
愛があれば、もう傷つかなくて済むの?誰も傷つけずに済むの?
君の傍にいるために嘘をつく俺は愚かで醜い生き物ですか
優しい真似は本当は優しさじゃなくて、虚しさが残っただけだった
だからなに、と言おうとした口が動かない
笑い方を知っている君はその下になんでも隠そうとする
だって夢の中の君は、すごくいとおしそうに俺の名前を呼ぶから
その涙の理由を、きっと君は教えてくれないんだろうけど
君の嘘だって、私が本当だって言えば本当になるよ
楽観主義者、君は呆れてそう言うかもしれないね

すべてなくなればいいと思った。君を傷つける世界も、人も、全部。
本当は逃げただけだと自分を責め立てることしかできなかった。
まだ、死なない。死ねない。君の思い、手に入れるまでは。手に入れてからも。
苦しいのに嬉しくて、痛いのに気持ちいいの
そうやってどうしようもなく、君の事ばかりを考えています。
お前が守るためにと捨ててきたものも全部拾い上げて、お前ごと守ってやる
「優しさも笑顔もいらないよ。君が、温かければそれでいい」そう言って君は私の手に触れた
涙を流すことでなにかが変わるのなら、涙が枯れるまでだって泣くのに
自分は独りきりなのだと言い聞かせることは、なんて悲しい
君がそんなだから、たまには流れに身を任せてみるのもありなんじゃないかって思える