Overture


201-300

201-210
夜空を仰いだところでなにも見えはしなかった
つばとみつ
電子音と振動、そして高鳴る心臓
転んだって倒れたって構うもんか
蕀で絡めた、棘は柔肌に食い込み鮮血を流す
穴蔵を進む
甘い毒は舐めて吸って君に口移す
寂れた心はいずれ錆びれて機能しなくなる
始まりを待っていた
心だけでは飽きたらず、

211-220
その優しさこそが最大の罪
尊き犠牲のその上に
愛しき物言わぬ屍
無声音のテープレコード
暗闇に馴れすぎた眼
届かない、この手も声も
安直、それも時には人を救う
知っていたさ、君の心が写しているのが僕じゃないことくらい
そんな寂しそうな背中、僕に見せないでよ
優しさだって無償じゃない

221-230
有限のものの無限にあること、その矛盾
息を吸うたび焼ける咽喉
涙を知るアンドロイド
シニカルに笑った君 (皮肉っぽく)
追憶の彼方
ハイファイローファイ
不協和音を口ずさむ
コペルニクスは説く
大切にしたいんだ、本当だよ
触れた部分から崩れ落ちそうで

231-240
白い、どこまでも白く、穢れを知らない
君の名をなぞる
ハイフンで繋ぐ言葉たち
差し込む朝日に目を細める
こんな朝があったっていい
日常も、捨てたもんじゃないね
影を潜める
嘘だってわかってる、わかってて騙されてる
砂を噛むような
肺に溜まった二酸化炭素を大きく吐き出そう

241-250
悲しいね、と笑う君がカナシイ
血が透ける
言葉はいらない、君だけいれば、それで
なにが、守るから、よ
君の存在がただの幻想なら、この痛みも幻想に違いない
不幸は悲しい顔した人のところに来るんだよ
あなたを待ち続けて朽ち果てる
笑いなよ
すべて染まってしまった
あなたを縛るだけの道徳ならば捨ててしまって

251-260
ありがちでありきたりな愛を貪る
いざというときは見捨てていいよ
眠れない夜は君への想いを抱き締めて
幸せが怖いと言うあなたが愛しい
アコーディオンに聞き惚れて
手を引いて走り出すんだ!
喜びも悲しみもすべて置いてきた
負けないから、絶対に
きみはあたたかい
頬が緩むのを止められない

261-270
奪われたのは
移り変わりゆく時は止められないけど
そんなのいや、だ
掴んだらもう離さない
形のあるもの
鎧で身を守る
傷つかないための予防線
ウイルスに侵された
きみはわたしをおかす
蝕まれてしまった、の

271-280
アクセサリー?それって君の美しさに関係あるの?
走り続けるさ、そこに意味なんかなくとも
そっち行っちゃだめだよ
世界に取り残されそうだよ
頬に触れた唇
冷たい唇
愛してるなんて言えるはずもなかった
現実は不条理ばかり
電灯の明かりもない夜
黒ずくめ、赤ずくめ

281-290
わらって
幸運を祈る親指
引き金を引く人差し指
誓いを嵌める薬指
約束を立てる小指
触れたって平気
泣くほど嫌か
首を縦に振るので精一杯
優しくなりたい
君に触れた、初めて

291-300
不適な笑みが好き
ほらこっちだよ、そっちじゃないよ
この冷たい雫はなにかしら
騙される方が悪いに決まってる
理性と本能の間で揺れるとはよく言いますが
君から香水の匂い
捕まえた、と思った
鈴が鳴る
鬱々たる人混みの中、君だけが笑ってる
切々たる想いは時に人を美しくするもの